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どうも!引き続きPush6700の映画評のサイトを見ていただき、ありがとうございました。

私は以前goo映画さんに、daiyal6700というニックネームで投稿させていただいていた者です。

ご存じのとおりgoo映画さんはなくなってしまいましたが、goo映画さんで個人的にやっていた、DVD・TVで見た映画名作だと思う洋画・名作だと思う日本映画・駄作だと思う映画、という仕分けが好きだったので、自分のサイト作って残すことにしました。

もし書き加えたい映画があれば、これからも追加していく予定です。

また、特別編として女優さんが魅力的だと思う映画を集めたページを作ってみました。

空気を読まず、書きたいことのみ書いているレビューなので、参考になるかどうかわかりませんが、少しでも共感していただければ幸いです。

Push6700の映画評/名作だと思う日本映画

憧れを超えた侍たち 世界一への記録  評価100点  2023/6/12  

この映画には他の大会は出てこなかったけど、今回大会だけではなく第1回大会からの激闘も思い出されて非常に感動した。

今回大会は全試合見たけど、TV放送されている部分しか見ていなかったから、舞台裏にもいろんなドラマがあったことがわかってよかった。
やっぱり舞台裏のMVPは栗山監督だと思う。
今大会の全てが栗山監督が選ばれたところから始まっている。
どんなチームにしたいのか、どう戦っていくのか、選手やコーチ選び等、何から何まで栗山監督の頭の中から始まっている。
初めはどんな結末になるのかわからなかったし、何が起ころうと、どうなろうと最終的には栗山監督の責任になるから、プレッシャーもすごかったと思う。
今回はNPB全面協力で、MLBも協力的だったから選手集めは多少楽だったのかもしれないけど、いろいろ大変だったと思う。
ダルビッシュは前回優勝時の胴上げ投手だから来てくれたと思うけど、大谷は新人の時から日本で一緒にやっていた栗山監督でなければ来てくれなかったかもしれない。
大谷なしでは今回の優勝はありえなかった。
大谷の名言でこの映画の題名にもなっている「憧れるのをやめましょう」というのも大谷が独自で考えて言ったのかと思っていたが違っていた。
その前に栗山監督の話があって、その中で同様のことを言っていて、その流れを受けて同じことを言っただけだった。
その他のこともTVを見ている限りでは選手が個々で戦って勝ったみたいな印象だったけど、選手起用からコミュニケーション、作戦から名言まで、栗山監督の手のひらの上という感じだった。



でも確かに栗山監督は今大会の舞台裏のMVPだと思うけど、それができたのも、これまでの大会で戦ってきた人のおかげという面もあると思う。
以前の大会で戦ってきた人達はもっと大変だっただろうと思った。
特に第1回大会の王監督の時は想像を絶する感じだったかもしれない。
日本中の期待を集めてプレッシャーも今とは比較にならなかっただろうし、本当に何もないところから始まったので、何をどうしていいかわからない。
一時はMLBともめて大会不参加も検討された。
なんとか参加することにはなったけど、依然としてMLBは自分の大会なのに非協力的だったし、NPBも非協力的で、そんな訳の分からない大会に高いお金を払っている選手は出せないという感じだった。
実際はどうだったのかよくわからないけど、外から見ていると王監督の孤軍奮闘という感じで、なんとか選手は集まったけど、国際試合のノウハウは全くない。
あの頃はよくわからない方式で多少負けてもよかったから、勝ったり負けたりを繰り返しながらノウハウを獲得していったような感じだった。
アメリカに渡ってからもボールの違いはもちろんだけど、ストライクゾーンの違い、知らない球場でのアウェー感、審判のえこひいき判定その他いろんなことがあって一度は死にかけた。
絶体絶命のところで、奇跡的にメキシコがアメリカに勝ってくれて何とか生き残って優勝した。
だから1回大会の優勝はメキシコのおかげと言っても過言ではない。
今回大会の優勝も、いろいろ強そうな国を倒してくれて、日本に負けてくれたメキシコのおかげのような気がしないでもない。
この映画には他の大会は出てこなかったけど、今回大会だけではなくそういう第1回大会からの激闘も思い出されて非常に感動した。
この映画を見た後は侍ジャパンアンセム「結束」とあいみょんの「さよならの今日に」のエンドレスリピートになった。


THE FIRST SLAM DUNK  評価100点  2022/12/10  

この映画は日本でしか作れないと思うし、ある意味で現在の日本映画の最高到達点という感じがする。

バスケットのことはよくわからないけど『スラムダンク』は大好きだった。
リアルタイムで読んでいた。
その頃から『ワンピース』とか『ドラゴンボール』とか『銀魂』もやっていたような気がするが、『スラムダンク』が一番好きで、『スラムダンク』を読むために少年ジャンプ買っていた。
それがある日突然変な終わり方をしたのでショックを受けて、それ以降少年ジャンプは買わなくなった。
後で知ったんだけど、編集部と井上先生がいろいろ揉めて終了になったらしい。
普通はそこで終わるんだけど、その後何十年も人気が衰えずに今まできた名作中の名作マンガの、まさかの再映画化になる。
こういう場合は若い人があまり知らないということが多いけど、『スラムダンク』は若い人も知っているというところがすごいと思う。
原作者の井上雄彦先生が脚本と監督なのもすごい。
普通はこういうことはまずないので、ファンが熱くなるポイントだと思う。
個人的には井上先生が大好きで『バガボンド』も『リアル』も読んでいる。
『バガボンド』もよかったけど、『リアル』が特に大好きで、車椅子バスケの話なんだけど、もしかしたら『スラムダンク』よりも好きかもしれない。
今回の映画は短編の『ピアス』の要素も入っているけれど、『スラムダンク』というよりも『リアル』の作風に近いような感じだった。



井上先生は話も面白いんだけど、とにかく画力がすごくて、一コマの台詞なしの絵だけで感動させられるくらいの芸術的な絵だと思う。
これだけ画力がすごいとストーリーもリアルだけど、アニメというよりも実写映画を見てるみたいな感じだった。
昔『アバター』ができたときに監督のジェームズ・キャメロンが「実写映画の役者はいらなくなる」というようなことを言ったけど、これなら本当に実写映画の俳優はいらなくなるかもしれないと思った。
それに実写では絶対できないと思ったのは試合のシーン。
この試合のシーンをもし実写でやろうと思ったら、役者さんが全員NBAクラスの実力がないとできないし、実写+CGでもおかしな感じになってしまってたぶん無理だと思う。
どうやって作っているのかは知らないけど、絵の感じを見ていたら昔の『白雪姫』を思い出した。
その頃とは比較にならない技術を使っているとは思うけど、たぶん実際の人間の動きをトレースしたものだと思う。
実写に近いようなすごい画力のアニメに加えて、実際のプレイをトレースして初めて可能になった映像だと思う。
この映画は「アニメ」と「実写」と「人気マンガ」が合体したような新な映像世界という感じがする。
しかも実写ではほぼ不可能なバスケの試合シーンが入っている。
この映画は日本でしか作れないと思うし、ある意味で現在の日本映画の最高到達点という感じがする。
もしかしたら本当の3D映画だったらもっとすごかったかもしれない。


余命10年  評価90点  2022/3/6  

主演の二人の演技と現実感がすごいし、それを盛り上げる演出と音楽もよかったので、名作の範囲に入ってくる映画だと思う。

この映画を何で見たかというと、内容が面白そうと思ったわけでもなく、原作に興味があったわけでもなく、監督でもなく、主演の二人に興味があったから。
この二人は恋愛物をやらせたら、やたらいい仕事する二人だと思う。
特に小松菜奈さんの映画は好きでよく見ている。
小松さんは不思議な女優さんで、普通の映画に出ていても目立たないし、印象に残らないんだけど、恋愛映画に出ると異常に光ることがある。
恋愛物は相手があることなので、たぶん相手役の人次第なんだと思う。
最近結婚した菅田将暉さんとは2本くらい恋愛映画で共演していると思うけど、2本ともよくなかった。
プライベートはどうだか知らないけど、映画では正直言って菅田さんとは合わない。
菅田さんは女優さんの演技を食ってしまうような演技する(実際に食ったけど・・・)ので、菅田さんと小松さんだとプラスとプラスみたいな感じで打ち消し合ってマイナスになるような気がする。
でも坂口健太郎さんは逆で、すごく地味な印象に残らないマイナスな感じの芝居で、女優さんを引き立てることができるからいい。
小松さんのプラスと坂口さんのマイナスでうまく引き合っていい感じになると思ったけど予想通りだった。
この映画でもイケメンだけどちょっと情けない感じの地味な男の役で、小松さんのかっこよさと、可愛さと、優しさをすごく引き出していて、みごとな仕事をしていた。



普通こういう難病物の映画だと女性が難病で、すぐ死んでしまうのに結構グイグイきて、男性の方にかなり負担かけるものが多い。
中にはすぐ死ぬってわかっているのに結婚してしまうものもある。
どうしようもないのに「死にたくないよ〜」とか言いながらいろいろじたばたして、可哀そうに思わせて泣かせる映画なんだろうなと思っていたけど、ちょと違っていた。
どこまで本当かはよくわからないけど、原作者が実際に難病で、自分の体験を元に書いているからかもしれない(ちなみに原作者の人はすでに亡くなっているらしい)。
なんとなく自分だったらどうするか考えてみたけど、余命10年と言われても、どうしても成し遂げたいことはないし、欲しいものがあるわけでもないし、贅沢したいわけでもないので、普段と同じ生活をすると思う。
でも気持ち悪いと言われるかもしれないけど、もし可能であるなら恋愛してみたいかな?
もしもすごい幸運が訪れて、いい感じになれる人がいるなら、この映画みたいになるだろうなと思った。
相手の人に負担かけたり、悲しませたりはしたくないので、騙しているみたいで悪いけど、治らない病気ということは言わない。
できるかぎり迷惑かけないような付き合い方で、危なくなったらなんとか頑張って別れて、ひっそりと死ぬと思う。
考えていることはたぶん主人公と一緒だと思うけど、自分の気持ちもあるし、相手もあることだから、なかなか計画通りにいかなくて、その辺が切なくて泣けた。
主演の二人の演技と現実感がすごいし、それを盛り上げる演出と音楽もよかったので、名作の範囲に入ってくる映画だと思う。


Fukushima 50  評価90点  2020/3/15  

映画の出来がどうとか、事実に沿っているかどうかというよりも、ただ感謝の気持ちしかなかった。

あの日のあの時間、自分は神田のドラッグストアにいた。
その時いきなり地震がきて棚の商品がどっと落ちた。
危険を感じて外に出たらビルが柳の枝みたいに揺れていて、嵌め殺しの窓のガラスが割れて落ちてきていた。
ガラスに当たったり、もしビルが倒壊したりしたら死ぬかもしれないので、とりあえす必死で広い交差点まで逃げた。
そこで周りに注意しながら地震が納まるまで待っていた。
その後、車で横浜に行かなければならなかったので、とりあえず向かったが、首都高は瞬間的に全線通行止め。
最初は一般道でもよかったけれど、停電に大渋滞、踏切は電車も来ないのに閉まったまま通れない(開けて通ればよかった)。
だんだん暗くなってきて、真っ暗な中を歩いて帰る人達がゾンビみたいに町中にあふれて、どうにもならなくなった。
連絡したくても携帯は繋がらないし、ようやく鶴見駅の公衆電話で電話して、埼玉に帰ろうと思ったけど、この状態ではとても無理だと思ってあきらめた。
避難所には車庫がないし(その辺に停めておいて避難所行けばよかった)、しかたがないので車の中で寝ることに決めて、わずかに開いていたコンビニ行ったけど、ほとんど食べ物はなかった。
ちょっとだけあったので、それを買って食べ、少し車で寝て、翌日帰った。
その後大津波や原発の爆発のニュースが入ってきた。
これはもしかしたら自分も死ぬかもしれないと思ったけれど、仕事があるから逃げられない。
死ぬなら死ぬでしょうがないかもしれないと、そんなことはないとは思いつつも多少死を覚悟していた。
金持ちや芸能人、外国人で逃げた人が多かったけど、貧乏人は逃げられなかった。
原発が最終段階までいかなかったのは、福島で命懸けで仕事してくれた人達のおかげということはわかっていたけれど、詳しくは知らなかった。



その事件を、こうやってエンターテイメントにして見せられると、ちょっと涙が止まらなくなる。
ガソリンがなくなったり、物資がなくなったり、停電があったりで、けっこう大変な思いをしたし、死ぬかもしれないとも思っていた。
この映画の登場人物達と同じ時間をすごしていたし、場所もレベルも違うけど、それなりに大変な思いをした。
最初のシーンから泣けたのはたぶんそのせいなんだろうと思う。
今思うとあの時仕事を放り投げて逃げなくてよかったような気がする。
もし逃げていたらこの映画見ても泣けなかったかっただろうし、国や他人などどうなろうとかまわない、自分や家族が大事、たいして給料のもらえないのに命を懸けて仕事するなんて馬鹿のやることだ、と思っていたかもしれない。
もちろんそれが悪いとは言わないけど、褒められたことでもないような気がする。
たぶんこの映画を酷評する人ってそういう人か、全然関係ない場所にいたか、東日本にいても運が良くてこういう体験をしていない人達だと思う。
自分の場合は映画の出来がどうとか、事実に沿っているかどうかというよりも、ただ感謝の気持ちしかなかった。
普段も基本的にはそうなんだけど、こういう人達の仕事のおかげでなんとか生きているだけなんだ、と改めて思った。
映画の内容的にもパニック映画が大好きなので十分満足できたし面白かった。
菅総理や東電の幹部の人達も実名は出なかったし、本当は違うのかもしれないけれど、報道のイメージでは映画のような感じだったので特に違和感はなかった。
ただ米軍と自衛隊のくだりはちょっと違うような気がした。


男はつらいよ 寅次郎夢枕  評価90点   2019/1/2  

寅さんはダメ男かと思っていたけど、恋愛する能力は半端ない恋愛超人なのかもしれない。



シリーズ10作目。テレビでやっていたので録画していてお正月になんとなく見た。
見たのはたぶん2回目か、もしかしたら3回目かもしれないけど、急に面白くなった。
昔は面白くなかったけど、今見たらシリーズ屈指(一番かもしれない)の作品で、日本映画としても名作だと思えるから不思議だ。
久々に見ていいと思ったのは機関車が煙を上げながら走っているところ。CGではなく普通の鉄道として走っていた。
街並みも昭和40年代なので、もちろんCGではない。
シリーズも初期の頃なので、寅さんが若くて元気なところもいい。
博さんとさくらと満男(子役)が狭いアパートに3人で暮らしているところがなぜか泣けた。
一番よかったのはマドンナの八千草薫さん。
八千草さんはもう亡くなってしまったけど、この頃はまだ若くてすごくきれい。
寅さんの幼なじみで出戻りの美容師のお千代ちゃんという役なんだけどこの人がいい。
個人的には歴代マドンナで最高だと思う。
よくリリーさんが寅さんのお嫁さんになっていれば・・・みたいなことを言われるけど、本命はお千代ちゃんだったんだということがわかった。
リリーさんは結婚したいと寅さんの目の前ではっきり言っていないけど、お千代ちゃんは言っている。
寅さんのプロポーズを真面目に承諾している。
本当は寅さんの家に下宿している東大の先生のことなんだけど、お千代ちゃんはすっかり寅さん自身のことだと思って承諾していた。
この映画は前に見ているのに、すっかり忘れていて驚いた。
シリーズの後にも先にもこんなことない。
当然寅さんも驚いてひいてしまう(ここで結婚したら終わってしまうし・・・)のだけれど、見ている方としては、ちょっと寅さん、なんでいかないんだよ、かっこつけてる場合かよ?と思ってメチャクチャ悔しかった。
普通このパターンだとその後、東大の先生とくっつくんだけど、お千代ちゃんは東大の先生をふっている。
寅さんがいつもどおりとらやを出て行った後、ラストのとらやのシーンでお千代ちゃんは、寅さんと結婚したいと何度も言っているのに誰も本気にしない。
本気にしたとしても昔は携帯もないし、寅さんは出ていったら連絡とれないのでどうしようもないけれど・・・。
でもこれを見ていたら、寅さんは結婚したいけれどいろいろあってできないのだと思いこんでいたけれど、違うような気がしてきた。
寅さんは恋愛が好きなのであって他のことは興味ない人なのかもしれない。
普通恋愛なんてそんなにできない。
現実には結婚していても、女性経験がいくらあっても恋愛したことない人がほとんどのような気がする。
寅さんがこの映画で、恋愛についてとらやの皆に「一日中その人のことばかり考えていて、その人に死んでくれと言われれば、「はい」と言って笑って死ねる。それが恋というものだろ?」と言っているんだけど、誰も同意しなかった。
寅さんはダメ男かと思っていたけど、恋愛する能力は半端ない恋愛超人なのかもしれない。


咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A  評価90点  2018/7/29 

面白かった。すごい傑作で、名作級だと思います。すばらです!

面白かった。すごい傑作で、名作級だと思います。
前作ではかなりデフォルメされていた原作マンガのキャラに合わせきれなくて変な感じになっていたけど、本作は原作でも普通のキャラが多くて実写に合っているし、一人一人ちゃんと表現されていてすごかった。
アイドルとスポコン、必殺技や特殊能力によるバトル、キャラの背景と人間ドラマが、全てちゃんと入っていて、うまくまとまっていて感心した。
麻雀はあまり好きではないけれど、やったことはあるので、ゲーム的にもある程度わかって、それも楽しめた。
わからない人も別に問題なく雰囲気で楽しめるはず。
あと個人的にアイドルグループのエビ中が好きなので、鷺森灼役の中山莉子さんに注目していた。
映画では一番しっかりしているキャプテンの役だけど、エビ中では一番頼りない子なので、本当に子供の学芸会気分で見ていた。
なんか不安だったけど、長い台詞がなかったせいか、そこそこよかったと思う。
内容的にはやっぱり浜辺美波さんが出ていた準決勝の先鋒戦がよかった。
浜辺さんは一人二役で、白糸台高校の宮永照役。
前作で演じていた主人公咲の姉でインターハイチャンピオンの怪物。
まったく笑顔なしの超クールな、ツンデレではなくツンだけのキャラなんだけど、前作の咲よりも照の方が合っていてイメージぴったりだった。



準決勝の先鋒戦、宮永照は圧倒的な実力で、倍々ゲームで連荘していく。
千里山女子高校の園城寺怜は一巡先を見る特殊能力で対抗しようとするんだけど、うまくかわされる。
阿知賀女子学院のドラゴンロード(ドラが集まってくる特殊能力)の松実玄はドラを切れないことを読まれて狙い撃ち。
もう一人の花田煌は新道寺女子学院の棄て駒で、箱にならないように戦うのが使命。
宮永を見て「すばらです!」ばかり言っている。
そのうちこの3人は敵どうしながら、宮永の連荘を阻止するために連携していく。
この戦いの最中にになぜ松実はドラを切れないのかとか、園城寺が一巡先を見る特殊能力を身に着けたいきさつとか、花田が自分のことを棄て駒にしょうと相談されているところを聞いてしまうシーンが入ってきて、バトルが盛り上がり最高だった。
麻雀は個人戦なんだけど一対一ではなくてプロレスのバトルロイヤルのようになっているので、戦いにバリエーションができるのがいいと思う。
本作の場合は前作よりもバトルロイヤル度が高かった。
そのバトルロイヤルが一回戦から準決勝(決勝はやってない)まで、先鋒戦、次鋒戦、中堅戦、副将戦、大将戦とどんどんつながって続いていき、全体の戦いになっていくところが実に面白かった。
バトルを盛り上げる音楽もよかったし、ところどころに入るCGも効果的だった。
アニメは全部見てるけど、実写の方がアニメより現実感があるし、バトルに迫力が出てよかった。
これほど成功しているマンガの実写化はあまり見たことない。


今夜、ロマンス劇場で  評価90点  2018/2/11  

感動できるいい映画だった。名作レベルの映画だと思います。

いいと思う。なんとなく面白そうだと思って見に行った映画だったけど、大当たりだった。
このレベルの映画はあまりないと思う。名作レベルです。
とにかく綾瀬はるかさんがよかった。
前から思っていたけど、綾瀬さんはラブコメやらしたら、日本で一番の女優さんだと思う。
和製キャメロン・ディアスと言っていいかもしれない。
もう綾瀬さん見ているだけで、お腹いっぱいという感じ。
演技うまいし、面白い、そしてかわいい。
衣装もどうやって調達したのか映画では説明がなかったけど、きれいで高級な物を、とっかえひっかえ着ていた。
綾瀬さんの映画では『ひみつのアッコちゃん』が好きだったけど、その感じも入っていた。
ただちょっと笑いは少な目、でもすごく感動する映画だった。
綾瀬さんもう30才くらいかな?絶対無理だけれど、できればこの映画みたいに年をとらないで、このままずっと永遠にやってほしいような気がした。
男性は皆この映画の最初のところの坂口健太郎さん状態になると思う。



あと思ったのは、この映画、いろいろな要素を入れていて、映画ファンだったら、必ず引っ掛けられ、釣り上げられてしまうと思う。
私の場合、まず思ったのは、映画ではないけれど、TVドラマの乃木坂46西野七瀬さん主演『電影少女』。
スクリーンから出てくるところで『電影少女』かよ?と思ってしまった。
劇中映画の内容は『オズの魔法使い』っぽい。
お姫様が出てくるので、ディズニー映画『魔法にかけられて』も思い出した。
あと見ようによっては、ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』やオードリーヘップバーンの『ローマの休日』なども思い出すかもしれない。
スクリーンから出てきた後は昭和30年代の日本で『三丁目の夕日』の世界。
映画の撮影所でのドタバタや北村一輝さんを見ていたら『蒲田行進曲』を思い出した。
それから賑やかだったけれど、だんだんテレビに押され、寂れてていく映画館はどう見ても『ニューシネマパラダイス』だった。
それからこの映画の公開直後に亡くなった出演者の加藤剛さん。
見てるとどうしても『砂の器』思い出して、頭の中でテーマ曲の『宿命』が聞こえてきて泣けた。
たぶん意識してその辺を入れているファンタジーで、多少ツッコミどころもあるけれど、とてもよくまとまっているので、あまり気にならなかった。
でも、往年の名作で網を張り、引っ張りこむやり方って『君の名は。』と同じでは・・・?
もしかしたら『君の名は。』の進化型なのかもしれない。


砂の器   評価95点  2016/9/24 

自分の中で泣ける日本映画といえば『砂の器』が一番にくる。初めてこれを見て泣かない人はいないと思います。

名作と言われても、そんなのわかってるからいいよ、と言われそうなですが、自分の他のレビューでけっこう引用していたので書いておきます。
原作/松本清張、監督/野村芳太郎、脚本/橋本忍・山田洋次、出演/丹波哲郎・加藤剛ら他の映画なら主演級のオールスターキャスト。
当時のトップクリエイターや表現者が集結していて、このスタッフ・キャストで面白くないわけがないと思える映画です。
内容的なものを一言で言うと、とにかく泣けます。
初めてこれを見て泣かない人はいないと思います。
でも何度か見ていると、先がわかるし、強引な展開や、お涙頂戴的な演出、時代の違い等が目立ってきて泣けなくなるけど、それでも最後のシーンは泣けると思います。
自分の中で泣ける日本映画といえば『砂の器』が一番にくる。
他にもたくさんあるけど、自分の中ではジブリの『火垂るの墓』と『キクとイサム』がベスト3です。
この映画の原作ももちろん読んでいますが、サスペンス部分に重点がおかれていて、設定はだいたい同じなのですが、まったく違う感じの作品でした。
ちなみにテレビドラマで何度か映像化されていますが、時代的に合わない部分を変えてしまっていて、設定も変わっているので、なんだかわけのわからないものなっています。



"監督/野村芳太郎・原作/松本清張というコンビの映画はたくさんありますが、見た中では『鬼畜』の方がやや上、原作どおりだし、映像的にも素晴らしかった。
でも『砂の器』がいいのはテーマで、すごく深い。
最初のシーンは子供が浜辺で砂の器作っている映像ですが、これが秀逸。
作っても作っても風が吹くとどんどん崩れていく、そこでテーマ曲の『宿命』がかかるとそれだけでお腹いっぱいになります。
人生は作っても作っても結局壊れてしまう”砂の器”のようだと言いたいのだろうと思いました。
それからテーマ曲も、この映画な場合ものすごく重要なファクターになっています。
”宿命”というのは生まれ持った個別の運命みたいなものの他に、現在は少なくなってしまったけど、当時しっかり存在していたであろうコミュニティーみたいなものや、動乱の時代背景みたいなものも入ると思います。
そこから抜け出したいという気持ちをみんな持っていて、それが投影されているのだと思いました。
登場人物もみんないい人で悪い人がいません。
一生懸命に生きているだけなのに、どんどんひどいことになっていきます。
とくに被害者はずば抜けていい人で、生き仏みたいな人。
いい人すぎて殺されてしまう。
犯人も悪人というより、なんとか自分の悲惨な宿命から逃れようと頑張っている人で、思いがけず被害者を殺してしまう。
一番かわいそうなのは最後に出てくる人。
まったく何も悪くないとてもいい人なのに、たいへん悲惨な悲しい目に遭うので、思わず感情移入して泣けてきます。
なんでこんなことになる?と思うのだけれど、本当はものすごく不条理で悲しいのが人間の世の中で、現在うまくいっている人も運がいいだけでそれに気づいてないだけなのかもしれないです。
水俣病を描いた文学作品『苦海浄土』なども、内容的に近いものがあるかもしれません。


俺物語!!  評価90点  2015/11/08  

キャストが素晴らしいし、監督のセンスもいい。原作の面白さを超えていた。永野芽郁さんが、異常にかわいかった。

すごく面白いし、たいへん感動した。原作の面白さを超えていた。
原作を超えるような映画はめったにない。
知らなかったけど、この映画の監督は『鈴木先生』の河合勇人監督。
『鈴木先生』も合わせて考えると、河合監督のセンスと才能のたまものと言えるかもしれない。
この映画見て驚いたのは、『変態仮面』の鈴木亮平さんの”猛男”再現度も驚いたけれど、大和役の永野芽郁さん。
見る前は、原作の大和とまったくイメージが違うし、写真や予告を見た限りではあまりかわいくない。
失礼だけど、まったく知らなかったので、どうせイメージが違うなら、もっと興行的にも見込めるような、有名な人にすればいいと思っていた。
でも、映画見たら、最高にかわいくて、モンスター級だった。
原作のキャラよりこっちの方がいいくらいに思った。
たぶん基本的に演技がうまいのと、河合監督の見せ方が素晴らしいからだと思う。
監督一人で決めるわかではないと思うけど、よくこの人を配役したと思って感心した。



幼馴染の剛田と砂川は、住んでいるマンションの部屋も隣で、親友だった。砂川はイケメンだが、剛田はまるでゴリラのような容姿。剛田が好きになった女の子は、ことごとく砂川のことを好きになり、砂川に告白するのだが、剛田に気を遣っているのか、砂川はなぜか付き合おうとしない。ある日、剛田は砂川と歩いている時、しつこいナンパで、絡まれている大和を助ける。大和に後でお礼がしたいと言われた剛田は、後日公園で、砂川と一緒に大和の手作りのスイーツをごちそうになった。剛田は、大和も砂川のことが好きで、自分を利用しているのだと思い込む。大和のことを好きになっていた剛田は、自分の気持ちを押し殺し、大和が砂川と付き合えるように、いろいろやり始めるのだが・・・?

この映画の原作は、少女マンガの黄金パターンをみごとにくずしている。
少女マンガの王道といえば、すごくイケメンでなんでもできる男子が、なぜか地味でめだたない女子を好きになる。
当然ライバルがいて、邪魔してきたり、いろいろ誤解したりして、くっつきそうで、くっつかない。
最後は友人の協力等で、くっついて、ハッピーエンドで終わるもの。
この最も重要な部分である、イケメン男子が、おっさんのような、ゴリラのような男子になっているところがすごい。
あと、もっと驚いたのは、ネタバレになるど、最初の方で大和と猛男がくっついてしまうところ。
ここをもっとやらないでどうする?と思ったけど、その後の方が面白かった。
考えてみたら、大和と猛男のくっつくまでの部分は、さすがにあまりおもしろくなりそうもないので、マンガではさらっと流したのかもしれない。
映画では、鈴木亮平さん永野芽郁さん等、キャストの素晴らしさもあって、この王道部分を、しっかり全編でやっていて、なおかつ面白くて、感動させるところがよかった。


寄生獣 完結編 (2014)   評価90点  2015/4/29  

この作品の興行収入が、初登場6位というのは信じられないです。

とてもよくできた素晴らしい映画で、名作と言ってもいいような内容です。
原作は多少古いけど、名作マンガの実写化。
日本映画にしてみれば、かなりの大作で、前編は興行収入初登場一位になっている。
プロモーションが少し足りないような気がしたのと、ゴールデンウイークのため、はやりのプリンセス物と、数本のアニメが同時公開なので、ある程度はしょうがないのかもしれないけど、6位は驚いた。
いい映画だから興行収入がいいとは限らないけれど、まったく内容を反映していない。
最近の日経平均株価を見ているような気がしました。



前作での危機を乗り越え、そのおかげでパワーアップした泉新一とミギーは、寄生生物を見つけては殺していた。東福山市市長広川達の寄生生物コミュニティーでは、新一とミギーを殺すべし、という意見が出るが、それを田宮良子が抑えていた。田宮は新一とミギーに人間と共生するための希望を感じ、倉森を使って新一とミギーを観察していたのだ。だが、あることをきっかけに抑えがきかなくなり、田宮、倉森、新一とミギーへの攻撃が始まる。そんな時、人間も広川達の存在を嗅ぎ付け、コミュニティーの拠点である東福山市役所に大規模な奇襲攻撃を開始した。

前作もよくできていたけど、本作はそれ以上のできだった。
普通このパターンだと、前編がまあまあで、後編がボロボロになるパターンが多い。(ちなみに3部作だと、一作目普通、二作目ボロボロ、三作目惰性になることが多い)
まったく原作のイメージを崩さず、最後のところまで、キッチリ実写化しているところがすごい。
当然、原作に織り込まれているかなり深いテーマや台詞も、全て入っている。
こんな映画見たことない。
ちょっとだけ端折ったり、変えたりしているけれど、イメージはまったく崩していない。
最強の寄生生物後藤との対決のところが、「ターミネーター」風の演出になっていて、逆によくなっているかもしれない。
中でも、深津絵里さんの演じていた田宮良子が最高だった。
すごい怪演でキャラクターを作っていて、感動した。
この作品だけで終わりにするのは非常に惜しい。
映画でもテレビでもいいから、「田宮良子ビギニング」みたいなスピンオフ物を作ってほしいと思った。


新幹線大爆破 (1975)  評価95点  2015/4/19

日本パニック映画の傑作。何度見ても面白いです。制作から時間がたって、さらに深みを増したと思います。

BSでやっていたので、なんとなく見たけど、やっぱり面白い。
日本のパニック映画といえば、まずこの作品を思いだす。
「スピード」シリーズの元ネタとしても有名。
ツタヤで、この作品を検索すると、スピードシリーズが先に出てきてしまうほどです。
昔から何度も見ているけど、現在見てみると、昔はなんとも思わなかった別の部分が面白かった。
作り話だから、現実とリンクしているのかどうかわからないけど、昔は確かにこんな感じだった。
犯罪者の話だけれども、ヤクザでない普通の人が犯人だから、逆に色が濃くなっているのかもしれない。
もう死語に近いけど、昔は仁義というか、「義理」と「人情」があった。
その上、世のため人のためという「使命感」みたいなものを皆持っていた。
そして、「義理」とか「人情」とか、「使命感」みたいなものが、お金より効率より、優先されていたような気がする。
自分は下の世代で、そういうのが嫌いで、欧米流の個人主義や合理主義がいいと思い、積極的に崩してきたけど、今思うと違うような気がする。
現在このような作品を作るなら、こうはならないと思う。
警察との駆け引きというよりも、仲間同士の騙し合いや裏切りが中心になり、それにヤクザやチンピラが絡んできて、なんでもアリのやった者勝ちみたいな映画になりそうです。
動機も、理解できず共感もできないようなものになり、政府にしても、テロリストとは交渉しない、身代金は払わない、などということになるかもしれない。
「仁義なき戦い」みたいな映画もあったけど、それは世間にまだ仁義があったから面白かったわけで、今では当たり前で、だから何?という感じになっている。
振り込め詐欺に引っかかる人がお年寄りなのも、判断力が鈍っているからとか、注意力がないからというよりも、そういう時代に生きてきた人だからという気がする。
すごく面白いパニック映画で、それだけでも傑作だけれど、時間がたって、作った人は意図してなかった、時代の流れや、映画の流れも感じさせる名作に進化していました。
昨年、主演の健さんが亡くなってしまったけど、いよいよ世の中の健さん的なものも、亡くなってしまったかもしれない。


風立ちぬ  評価90点  2013/7/20

究極の手書きアニメ。宮崎監督の最高傑作と思います。

今までのように子供向けではないけれどもすばらしい作品と思います。
あたかも昭和30年代の日本映画黄金時代の名作のようです。
日本映画好きにはたまらない映像が満載です。
里見奈穂子役のところは瀧本さんではなく、高峰秀子さんか原節子さん若い頃のイメージで、堀越二郎役のところは宮崎監督の若い頃のイメージで見てました。
この映画は日本映画の名作にかぶらせながら、なおかつ宮崎監督の人生やイメージにかぶらせているような気がする。
宮崎監督の人生やイメージといってもよくわからないけど、衰退していく日本映画の中で、一人だけ頑張っている宮崎監督ということです。
縁起でもないけど、遺作のつもりだったのかな?
そう思うとさらに泣けてきます。
黒澤監督の作品で言えば、「夢」とか「まあだだよ」のところなのかな?(あまり好きではないけど・・・)
とにかく映像がきれいすぎて、なおかつ夢があって、ワンシーンごとに感動してました。
実写で撮ろうと思ったらすべてCGということになるのだろうけど、もしそうだったとしても、この映画の映像の美しさの足元にも及ばないと思う。
これはある意味すごいことで、、宮崎監督の昔の作品も好きだけれども、CG技術の発達である程度のキャラクターは作れることに加え、3Dにできたりするし、もしかしたら現在では手書きで書いた過去の作品以上のものが作れるかもしれない。
でもこの映画は無理。
大正から昭和にかけての何ともいいようのないアナログでノスタルジックな雰囲気、飛行機のメカの温かさや浮遊感を、CG実写あるいはCGアニメで、この作品以上の美しさで表現するのはほぼ不可能。
黄金時代の日本映画でも無理だと思う。
それを考えると本作は究極の手書きアニメともいえる作品で、アニメの新境地を切り開き、日本映画の黄金時代のオマージュとなっているとともに、宮崎監督の人生やイメージが投影されているようなすごい傑作です。
こんなことを書くと昔の作品のファンが激怒するかもしれませんが、宮崎監督の集大成というか、いまのところの最高傑作と思います。


HK 変態仮面  評価90点  2013/7/15

実写での変態仮面は、キャラクターに迫力があるし面白い。爆笑必至です。

昔の少年ジャンプはメチャクチャなマンガが多くて、パンティーをかぶって裸で戦うヒーローくらいでは印象に残らなかったからかもしれない。
でも実写だと違う。
頭にパンティーをかぶって、パンツ一丁、網タイツ、運動靴みたいなものを履いて最初に出てきた時点で迫力がすごくて驚いた。
本当に出てきたら、たぶん笑いながら逃げると思う。
女性の裸はかなりブサイクな人以外はエロくなってしまって笑えないけど、男の裸はブサイクな人でなくてもなぜか笑える。
変態仮面役の鈴木亮平さんはかなり鍛えていていい体、脱毛しているのかあまり毛が生えてなくて、絵的にも見やすかった。
必殺技は相手の顔に局部をこすりつける攻撃。
実写なのでリアル感がすごい。
本当にやられたら、気持ち悪くて死ぬかもしれない。
戦う時の「フォ〜・フォ〜」というかけ声も、生声なのでブルースリーの「アチョ〜・アチョ〜」という怪鳥音のようでありながら、微妙に気持ち悪くてよかった。
内容は基本的にメチャクチャですが、外してないというか(最後はちょっと外したかも?)、なんとかまとまっていて特に気にならなかった。
この映画は鈴木亮平さんの演じている実写の変態仮面だけで十分面白いような気がする。
迫力満点、爆笑必至です。
あと姫野愛子役の清水富美加さんが可愛くてよかった。
「逆境ナイン」の堀北真希さんみたいだった。
最後にディープなこと加えさしてもらうと、男って自分では完全にノーマルだと思っている人多いけど、実はアブノーマルな人が多いです。
女性の方はお気をつけください。
私はどうかって?それは自分ではわかりません。(フォォォォォォォォ〜)


ヘルタースケルタ―(2012)  評価90点  2013/2/6

沢尻エリカさんが素晴らしくて、驚かされた。アメージングです。

なんとなく評価が低いので、公開時は見なかったけど、DVDで見てみたらすごい映画だった。
とにかく沢尻エリカさんが最高。
役のイメージと本人のイメージが、これ以上ないくらいに一致している。
ものすごく気合いの入った、ここで終わってもいいくらいの捨て身の演技に感動。
キレイだし、エロいし、すばらしいとしか言いようがない。
アメージングです。
内容的にも、原作は読んでいないけど、女性の本性みたいのものを描いていてけっこう本格的。
木村佳乃さん主演の『おろち』みたいで面白かった。
あくまで個人的印象で、時間的に前後するけど、最近の尼崎事件や、AKBの峰岸みなみさんの丸刈り謝罪映像などを思わせるシーンがあって、非常に興味深かった。
蜷川監督もいい。
この人の映像見ていると、どこがどうとは説明できないけど、スタンリー・キューブリック監督思い出す。(同じ写真家出身のせいか・・・?)
本作の内容も、キューブリック監督が好きそうなストーリーだし、もし生きていたらこんな映画作ったのかな?と思いながら見ていたら、2倍楽しめた。


映画 鈴木先生  評価90点   2013/1/12

予告編を見るとバカ映画のようだけど、実際の内容は本格派の傑作でした。

原作は読んでいませんが、ドラマは再放送で見ました。すばらしいドラマだった。
普通テレビは現状維持が基本だけど、「鈴木先生」は、教育って何?教育などできるのか?くらいまで考えさせられた。
自分の経験からすると、先生はサラリーマンで、仕事だからなんとなく勉強は教えるけど、後は自己責任で適当にやってくれ、みたいな人ばかりだった。
かなり昔のことなので、今はどうなのかわからないけど、その勉強というのもひどいもので、英語の先生なのに英語が話せないような人ばかり。そんなの自分で教科書で読んで勉強した方が早いだろ、というような授業ばかりだった。
あんなものが教育なのかな?あんなものが教育だったら学校いらないし先生もいらない。自分で教科書読んで勉強すればいい。
かといってその他のことは、答えがないから教えられない。よく先生は、夢とか友情とか正義だとか言うけど、社会に出て働いた人ならわかると思うど、そんなものめったに見かけないし、絵に描いた餅で食えない。
できるとすれば、生徒と一緒になって同じ目線で考えることだけど、それもなかった。めんどくさいから、いつも上から訳のわからないことを押しつけてくるだけ。
「鈴木先生」は、生徒と一緒になって同じ目線で、答えのない問題を考えながら、なおかつ面白いドラマになっているところがすごいと思った。
本作は生徒会長選挙と、卒業生たてこもり事件が中心です。
ドラマで鈴木先生と対立して壊れてしまった足子先生が、嫌いな人は完全に存在を消去するという技を身につけて復活。
またあばれだします。
そんな中、生徒会長の選挙が行われることになり、以前給食テロ事件を起こした出水が生徒会長に立候補。
書記に立候補した小川目当てなのか?それともまた何か気に食わないことがあるのか?
まったく当選する気のないような出水の選挙戦の中、同じひきこもりの友人の逮捕をきっかけに、キレた卒業生が、学校に乗り込んできて、小川を人質にたてこもります。
どうする鈴木先生?
みたいな内容でした。
ちなみに小川というのは学校で一番可愛い女生徒で、センスがよく、なおかつ男前でしっかりしており、学校中の男(先生を含む)に注目される存在です。
本作でも、主人公の鈴木先生より活躍してました。
私もこの映画を見ながら、「いいぞ!小川」「すばらしいぞ!小川」と完全に鈴木先生になって、心の中で言っていました。
本当にいたら、私も小川病になると思う。


新・仁義なき戦い  評価90点  2012/11/9

内容もすばらしいけど、それ以上にテーマ曲がいいです。

この映画はすばらしいと思います。何度も何度も見ています。
" 一番すごいのは、それは違うだろうと言われるかもしれないけど、テーマ曲です。
タランティーノ監督の「キル・ビル」でも使われて、世界的にも有名になったものです。
このすばらしい曲に、阪本監督の職人技がくっついて、すごい映画になっている。
この映画の最初の部分、テーマ曲が終わるまでで、もうお腹いっぱい。ごちそうさまでしたという感じです。
そしてラストの一番盛り上がる場面で、もう一度この曲かかかり大感動。
いい意味で、究極のプロモーション・ビデオみたいな映画でした。
いい意味でというのは、阪本監督の場合これでいいような気がするからです。
阪本監督がどういう人なのかよく知らないけれど、作品を見た限りでは、少年ジャンプに連載中のマンガ「黒子のバスケ」の黒子テツヤみたいな人のような気がします。(血液型A型?)
自分ではポイントできないけれども、パスの技術はすごい。
パスとゲームメイクに特化しているような選手。
こういう人には「キセキの世代」みたいな、すごいポイントゲッターが必要な気がします。
それではダメという人も多いかと思いますが、個人的にはそうは思わない。
この映画ではテーマ曲がポイントゲッターだからこれでいいと思います。
できれば「ファントムシュート」みたいな自らポイントする必殺技もマスターしてほしいです。


のぼうの城  評価90点  2012/11/3

なぜ戦うのかよくわからなかったけど、「仁義なき戦い」風に言えば「”さきたま”の意地、見せちゃるけぇのう!」ということなのだろうと思った。

埼玉県の北東部、行田市役所の隣に、忍城の城跡がある。このあたりは昔”さきたま”と呼ばれていて、埼玉県の県名の由来になったそうです。
前からそこにあることは知っていましたが、たいしたものではなく、観光客の姿もほとんどありません。
この映画で、それが「のぼうの城」だと知って驚いた。
原作は読んでいないし、この映画のことを知るまで、埼玉県ではこういう本格的な戦闘はなかったものだと思っていました。
北条氏あたりが統一していて、けっこう平和だったのだろうというイメージだった。
この映画でも、石田軍が来るまではそうだったように描かれているけれど、実際は上杉謙信が死ぬまで、上杉氏と北条氏が猛烈な覇権争いをしていた地域のようです。
直線で10キロ前後しか離れていない羽生城の広田・木戸氏は終始一貫して上杉派だったけど、忍城の成田氏は上杉→北条→上杉→北条みたいにコロコロ変えている。その間に武田信玄が近くまで攻めて来たりしていたようです。
映画の内容的には、戦闘シーンや、水攻めのシーンにすごく迫力があり、有名な俳優、女優さんが多数出演している日本映画の大作で、非常に面白かったのですが、なぜ成田氏がここで狂ったように戦うのかが不思議だった。
映画では使者の傲慢な態度に、留守番城主の長親が腹を立て、小田原へ行っている城主氏長の命令に背いたみたいになっていたけど、それではあまり説得力がないような気がした。
個人的には、北条氏と上杉氏の間をわたりあるいて生き残ってきた独自のやり方があって、今回もそれをやろうとしたら相手が悪くて失敗したということなのではないか、と思ったけどその辺はよくわからない。
わざとなのか偶然なのか、どちらにしてもここで意地を見せなければならない何か事情があったのだろうといことは想像できます。
その辺のところを丁寧に描いてくれたらもっとよかった。
ちなみにこの映画の舞台、埼玉県行田市の位置を映画的に説明すると、「アフロ田中」の田中の実家、加須市のとなり、「サイタマノラッパー1」の深谷市は、熊谷市をはさんだ向かい側です


人生、いろどり  評価90点  2012/10/11

積極的な気持ちになれるいい映画でした。人生の「いろどり」につて考えさせられました。

徳島県上勝町で、日本料理のツマ用の葉っぱを生産している農家の話です。
ニュース等で、葉っぱを売って商売している地域があることは知っていましたが、それが徳島県の上勝町であることや、その成り立ちがわかって勉強になりました。
「いろどり」(ツマ物だから?)とはこの生産グループの名称らしいですが、いい名前だと思います。
この映画の題名「人生、いろどり」とはどういうことだろうかと考えさせられました。
普通人生をいろどるものといえば、愛情とか、友情とか、絆とか、あるいは趣味とか、お金などもいろどる手段になるかもしれませんが、この映画の最初のところではそれらが、ほとんど失われています。
自分なりに考えましたが、夫婦は相手に先に死なれてしまえばいなくなってしまうし、熟年離婚などもあるかもしれない。
子供や孫もお金があれば近寄ってくるのかもしれないけど、なければたぶん近寄ってこない。
友人も年をとってから作るのは難しいし、いろいろな理由で年とともにいなくなりそう。
趣味もたまにやるから楽しいのであって、一年中朝から晩までやれるとなったら楽しいのか疑問。
そうなってくると、やっぱり最終的に人生をいろどるものは、仕事かもしれない、と思いました。
それも一般的な会社でやるような、生活のためにしかたなくやる、あるいはやらされている仕事ではなくて、もっと積極的な、楽しいからやるような仕事。
ボランティアというのもアリなのかもしれないけど、お金になった方がより楽しいと思う。
この映画でも、積極的にとりくめる仕事ができたら、最初のところでなくなりかけていたすべての「いろどり」が、戻ったような感じになっていました。
いつからでも、だれでも、どこででも、きっとなにかできることがある、と思えて積極的な気持ちになれる、いい映画でした。
ちなみに映画とは関係ないけど、徳島県は日本で唯一、電車(電気以外の列車はあるらしい)が走っていない県だそうです。


星守る犬  評価90点  2011/12/23

素晴らしい映画でした。これぞ無縁社会日本です。遠い親戚よりも近くの他人というけれど、現在では、遠くても近くても親戚より他人ということなのかな?

あまり暗い映画は好きではないし、評価が低かったので、劇場公開時は見なかったけれど、DVDで見てみたら、素晴らしい映画だった。
これぞ無縁社会日本だと思った。こういうメッセージ性の強い映画は大好きです。
原作は読んでいないけれど、通常の犬の映画と思いきや、とんでもない本格派の傑作でした。今年見た日本映画の中では一番よかった。
北海道の山奥のキャンプ場の近くで、身元不明の車上生活者とみられる中年男性の白骨化した死体と、最近死んだと思われる飼い犬の死体が発見される。事件性は特になく、地元の自治体が、身元を捜すが、手掛かりは車の下に落ちていた数枚のレシートだけで、結局不明。身元不明の生き倒れということで処理されることになる。しかし、担当の若者がこの死体に興味を持ち、有給休暇を使って、数枚のレシートを頼りに、この死体(おじさん、結局最後まで氏名不明)のことを調べ始めるのだが・・・・。
ネタバレしてしまうと、このおじさん(西田敏行)は、リストラに合い、次の就職先が見つからないうちに家族崩壊、離婚。妻の実家(青森)に復縁を迫ろうと、東京から車で、愛犬と共に訪ねて行くのだが、結局声をかけられず、断念。
やけくそで、北海道に渡りそのまま・・・・。
このおじさんの人生で本当に存在したのは、飼い犬の愛情だけだったというオチ。
このおじさん一見かわいそうな感じだけど、私はそうは思わなかった。
飼い犬の愛情があっただけいいと思った。普通は何もない。
もしかしたら仕事もうまくいき、最後は家族に囲まれて大往生というパターンもあったのかもしれないけど、ちょっとつまずいただけでこうなるのでは、うそつかれて喜んでいる人みたいで、本当に幸せなのか疑問。
しかも一番助けがほしい時なのに、家族や親せき知人は、逆におじさんを追い詰めてしまっている。
家族って普通はおとうさんの持ってくるお金で成り立っていて、これがなくなると崩壊することが多い(リストラ→家族崩壊)。
親戚や知人も、別に血縁や友情を信じているわけではなく、なんとなくいいことがありそうだからくっついている人が多い(有名になると急に増えるらしい)。
しかもこの関係、互いにうまくいっている時は少しずつ助けあったり、融通しあったりして、うまくいくのかもしれないけど、一方だけがうまくいかなくなった場合、ちょっとだけ助けるというのはやりにくい。
ゼロか無限大になるので、たいていみんなゼロを選び、はじかれる。
本人もダメになったところを見せたくないという見栄もあるから、なおさら助けてと言えない。
だから本当に困った時はなんの役にもたたない。 昔は運命共同体だったのかもしれないけど、現在はドロドロの利益共同体みたいになってしまっている。 もしかしたら、会社のビジネス上のドライな関係よりも、ドロドロの分、たちが悪いかも?
結局この映画でも、多少なりとも助けてくれるのは役所の人やあかの他人だけ。(援助が限定的で自由、あるいは仕事だから助けやすい)
極論だけれども、このおじさんみたいなおとうさんの立場からすると、家族や親戚、知人などはいらないのではないのか?とも思える。
もしかしたら、このまま無縁社会が続いていくと、家族や親戚知人関係は、金持ちが趣味と実益を兼ねてやること、みたいになってしまうかも?


武士の家計簿  評価90点  2011/1/1

現代的な感覚で見てはいけないと思います。

本日に見に行きましたが、料金が安くなる日で、この作品にぴったりのお正月とはいえ、公開から一か月近くたっているので、そんなに混まないだろうと思っていましたが、満席に近いぐらい入っていてびっくりしました。
原作は読んでいないけど、NHKの教育テレビでやっていたのを偶然見て、すごく興味をもって、本屋さんで売っていたテキストを買って読みました。
映画なので、そのままというわけにはいかず、かなり演出が入っているようですが、いいと思いました。
私はリアル系なので、ファンタジーっぽい「最後の忠臣蔵」より好きです。
映像は同じ場所が何度も出てきて、ちょっと安っぽい感じがするけど、ストーリーも演出も、キャストも音楽も、よかったと思います。
特にキャストで、仲間さんがきれいでよかった。
ファンなので、かなりバイアスが入っているかもしれないけど、あまりのきれいさに、映画の前半部分は見とれてました。(現代劇で仲間さんが出てくると、きれい過ぎて変な感じがするけど、時代劇はありと思います。)
また、ストーリーは、実話だけに、かなり深いです。現代的な感覚からすると、当たり前のような気がするけど、時は江戸時代、しかもやっているのは武士です。
人間って今も昔も、そのままにしておくと、心の中も外もいろんな物をかかえこんでいき、どんどんふくれあがって、そのことで苦しむようになるもんだと思います。
だから、家財道具を処分して借金を返すあたりは、現代的感覚で見ると、負債を減らしより儲る、あるいは、今は儲からないけど将来的に儲けるためなんだけど、この映画の場合では普通の侍であることをやめ、そろばん侍として生きるための決意の切腹に近いものだと思います。
そろばん侍が、自分の家を破産させたのでは、主君にとって存在価値がなくなる、だからどんなことをしてでも回避しなければならないので、そのことで、恥をかこうが、不自由な思いをしようが、ぜったいに避けなければいけないことだったんだと思います。
子供がなくした四文に異常にこだわるのも、一事が万事、ここをうやむやしては主君に対する忠義が立たなくなるためだと思われます。
世の中がどう変わろうと、主君のためにそろばんをはじくのが、そろばん侍の忠義、そろばんをはじきながら死ぬのがそろばん侍なんだと言いたかったんだと解釈しました。
現代的な感覚で見るより、そういう解釈の方が、すっきりして、おもしろいと思います。


蟹工船  評価90点  2010/4/11

ベタベタの共産主義映画ですが、そのベタさかげんが、逆に新鮮で面白かった。

原作は読んでいませんが、ベタベタの共産主義映画で、そのベタさかげんが、逆に新鮮で面白かった。
共産主義って、実際はいやだけど、映画にするとすごく面白いと前から思ってました。
私がこの映画で一番気にいったのは、「おれたちは勝てねえ、生きていてもこのままだ、もうどうあがいても無理だ、だからおれは来世にかける、今度生まれて来る時は、必ず金持ちの家に生まれてきてやる!」と言いながら、首を吊ろうとするところ。
このキューブリック風の、現代社会をするどく風刺した、ブラックジョーク的シーン最高でした。
他にも名言が多数あって、昔の共産主義をそのままやれば、こんなにすばらしくなるのか、と感心しました。
昔もそうだったのかもしれないけど、現在も再び格差が広がってきて、金持ちの家に生まれるのと、貧乏な家に生まれるのとでは、教育がどうのこうのなどという見かけ以上にすごい格差がある。
企業にたとえると人・物・金・情報、なんでも持っている大企業と、なんにも持ってない零細企業との戦いみたいなもので、勝負にならない。
他の人が持っていない特殊な才能があり、それに気づいているか、よっぽど機会に恵まれ、運がよくなければ、勝てない。
それを探すために、いきあたりばったりを繰り返し始めると、いつのまにか、勝ち組や、大企業の下の蟹工船みたいなところで働くことになり、抜け出せなくなくなる。
マスコミで報道されている妙なサクセス・ストーリーって、蟹工船の乗組員募集広告のような気がするのは私だけなのかな?
成長期より、確実にチャンスは減っているだろうし、様々な条件の格差は拡大する一方、終身雇用制度も崩壊。
全部個人のせいにして、ほったらかしでは、世の中、仕事があるだけありがたいみたいな、夢も希望もない蟹工船だらけになりそうで怖い。
表向きはわからないけど、もうなってるかもしれないし、この傾向はどうにもならず、いくとこまでいくしかないと思います。
私も、当然ですが、来世は鳩山総理の実家みたいな大金持ちの家に生まれかわることに賭けたいです。
でも、鳩山さんちってどこにあるかわからないし、全然想像できないんだけど大丈夫かな?


カイジ〜人生逆転ゲーム〜  評価90点  2010/3/21

原作の毒を抜きながら、おもしろい部分をうまく表現した傑作と思います。

この映画は、原作をぶった切って、つなぎなおし、これはちょっと実写化できないだろうというというところをカットして、キャラもかなり変えています。
初めて見たときは、それにすごく抵抗感があり、かなり減点してました。
でもテレビで放送されていたこの映画見たら、考えが変わりました。
テレビ放送されていたものは、劇場版映画をまたさらにカットしているんですが、そのカットしまくって、最後に残った部分がよかったからです。
なぜかと言うと、劇場版映画の中でも、ちょっと放送に適さないだろうという部分がなくなって、かなりさわやかになって、見やすくなっていたからです。
考えてみると原作は、すごくおもしろいんだけど、かなりダーティーで、残酷で、醜いストーリーなので、そこがいいという人もいるんだろうけど、個人的にはいやなところでした。
そういうところが、テレビで放送されていたものを見たら、みごとになくなっていて、感動しました。
だけど、作品のテーマというか、言いたいことみたいなものは、まったく変えていない。
それでいて、ちゃんと見やすいエンターテイメントになっている。
原作とはだいぶ違うものになっているけど、皆が楽しめるエンターテイメントとしては、実写映画版(テレビ放送版?)の方が上だと思うし、原作の毒を抜きながら、おもしろい部分をうまく表現した、傑作と思います。


おろち  評価90点  2010/1/28

繰り返し見てもあきない、よい映画と思います。

この映画見たかったんですけど、近くでやってなくて、見に行く時間もとれず見逃してました。
DVDで見たんですが、すごくなつかしかった。小学校の時、楳図先生に凝っている友達がいて、マンガ貸してもらって読みました。
もう内容はほとんど覚えてないけど、やたら怖かった覚えがあります。
小学生の時は、変な顔になるのが、すごく怖かった。 変な顔になって、みんなに嫌われて一人ぼっちになるのが怖かった。
その辺のところを楳図先生はよくわかっていて、顔がくずれる話が多かったような気がします。
また、楳図先生の絵も、全体的に黒い感じで怖かったです。
子供は怖い話が好きだから、怖いと思いながら、読まずにはいられないマンガでした。
大人になった今、映画になったものを見て見ると、子供のときのような部分では怖くないんだけど、別の意味で怖かった。
内容はばかばかしい、ありえないような話なんだけど、これ女性の本質をついているような気がします。(私は男性なので、あくまで外見上の推定ですが・・・)
主人公のおろちは、他人の不幸をのぞくだけのために何千年も生きてるキャラなのに、正義の味方ぶっている。
これって完全に近所のおばさんキャラです。
それに、木村さんと中越さんがすごくうまい、演技に見えません。
これ、ぜったい地で、そのままやってるだろうという感じです。
木村さんもうまいけど、中越さんがうまい、特にラストの方なんて、この人完全に本気だよ、としか思えない。私が映画賞の審査員だったら、主演女優賞木村さん、助演女優賞中越さんにします。
楳図先生が公開時のインタビューで「きれいな人が争うところが怖い」と他人ごとみたいに言っていて、木村さんに「先生が書いたんでしょう?」と突っ込まれてましたが、私も先生と同意見です。
楳図先生は単純に子供を怖がらせるために書いたんだろうけど、映画では、それ以上のものが表現されてる。
何度も見たくなる不思議な作品で、繰り返し何度も見てますが、全然あきない。
映像がすばらしいし、演出もいい、特に音楽がすばらしくて、耳に残って離れないです。
この映画に否定的な方も、多いかと思いますが、私は絶賛します。


自虐の詩(じぎゃくのうた)  評価90点  2010/1/21

泣けます。すばらしいです。

劇場公開当時、地元のシネコンでやっていなかったので、興味はあったんですが、見ませんでした。
自虐の詩って、断片的には読んだことあるんですが、全体的にはこんな話なのだということがわかり、びっくりしました。
断片的に普通の四コマ漫画のつもりで読んでました。
こんないい映画なのに、あまり注目されなかったのが不思議です。
たぶんこの映画、「嫌われ松子の一生」とイメージがダブっていて、違う監督、マンガチックな演出などで、低く見られたんだろうけど、名作のような気がします。
とにかく最初から最後まで、泣き所満載で、その間にギャグが入っていて、かなり笑えます。
阿部さんの怪演もよかったし、中谷さんの演技もよかった。というか、中谷さんのキャラから、企画を立てたような映画でした。
少女時代は別の人がやっていたけど、幸江は本来、こういう人がやるべき役と思えたし、少女時代の話も、かなり泣けました。
でも、なによりいいのは、テーマがはっきりしていてわかりやすいということです。
自虐の詩の意味って、いわゆる自虐ネタの自虐ではなく、愛情とか、いわゆる愛のことだと思うし、中谷さんが最後に言っている、どんな人生にも意味がある、というセリフもすごく共感できました。
ただ私は最後のセリフにカッコして、人間の考えではわからないけど・・・・って入れたいような気がしました。


恋するトマト  評価95点  2009/12/8

マサオさんと康雄さんの区別がつかなくなりました。

かなり前に映画館で見たんですが、まったく話題にならず、DVDもレンタル屋さんで見たことないんですが、誰がなんと言おうと、間違いなく名作です。
映画の最後の方では、役のマサオさんと大地康雄さんの区別がなくなり、現実と映画の境界なくなり、康雄さん頑張れ!康雄さん頑張れ!と心の中で叫んでいました。
すごい演技力とリアリティーでした。
最近の作品はあまり見ていないため、大地康雄さんと言うと、昔見たテレビの「深川通り魔殺人事件」で、ブリーフ一枚で、包丁持って暴れているイメージしかありませんでした。
こんな役やって、この人この先大丈夫なのか?もう元には戻れないどろう、と子供心に心配していました。
あれから、何年たったのわかりませんが、こんなすごい人なら、もっとどんどん主役で、映画撮ってほしかったです。
英語のセリフも味があり、もしかしたら、ハリウッドでもいけるのでは?という気がしました。
次回の主演作、もしあるなら、絶対見ます。


蝉しぐれ  評価90点  2009/11/27 19:59

すばらしい純愛映画だと思います。

原作は読んでいませんが、テレビドラマは見ていて、内容は知っていました。
見たいDVDなかったので、なんとなく借りてきたら、すごくいい作品でびっくりしました。
20年間の長い話を、強引に2時間にまとめてしまったので、ストーリー自体の面白さは、かなりなくなってました。
原作ファンの方だったら、こんなダイジェスト版みたいなものは許せないと思うかもしれませんが、文四郎とふくの恋愛ということのみに関して言えば、格段によくなってました。
20年間をいっきに見せることで、文四郎とふくの恋愛の流れが、よりはっきりわかって、テレビドラマとはまた違った感じになってました。
ラストシーンのすばらしさ思うと、むしろ演出と考えるのが正しいでしょう。
ラストシーンは本当にすばらしいです。
私はどうなるか知っていましたが、あまりにもすばらしい演出だったので、すごくジーンときて、素直に泣けました。
ラストシーンの木村佳乃さんの顔が最高にきれいで、頭からぬけません。
これも演出の力だと思います。
なによりもこの恋愛って、すごく美しくて、感動的です。
別につきあうわけでもなく、好きとか嫌いとか言うわけでもなく、結婚式の誓い言葉みたいに、富める時も貧しき時も、20年以上相手を思い続けますが、最後に結ばれるというわけでもありません。
テレビ版のラストシーンは、かなりせつない感じになっていましたが、映画版の方は、せつないというよりもむしろ20年間思い続けてよかった、報われた、という印象を受けました。
ハッピーエンドではないけれど、とてもいい気持ちになれる、すばらしい純愛映画です。


七人の侍  評価100点  2008/9/9

永遠の日本映画NO1

テレビの黒澤監督特集で見ました。
何回見たかわからないけど、あきないです。
これ以上の映画ってありえるのか?っていつも思います。
完璧です。
金にも出世にもならない命をかけた戦いですか?美しいです。
逆に、金と出世目的の、命をかけない戦いもあります。
世間の人はだいたいそういう戦いの中で暮していると思うけど、どう考えても醜いです。
自民党総裁選挙など、まさにそのとおりです。
見るに耐えません。
最低、命はかけてもらいたいです。
うまくたちまわって、総理大臣になり、あぶなくなったら、ブン投げて終わりでは農民どうするんですか?
野武士に皆殺しですか?
なんか時期的にそんなこと考えながら見てしまうのは、私だけかな?


クローズZERO  評価95点  2007/10/30

初登場一位

びっくりしました。
地元のシネコンで初日に見ましたが、中くらいのスクリーンでした。(話題作は一番手前の大きいスクリーン、だんだん奥になって、小さいスクリーンになっていく。)
確かにおもしろかったけど、こんなたいして宣伝もしていない、バリバリの少年マンガ原作のマイナーな作品が、初登場一位になるのは見たことないです。
私の予想では、「キャプテン」ぐらいの感じかな?と思っていました。
内容は、キャラと設定だけは原作のものを借りていますが、まったく別の、オリジナリティーあふれるハイセンスな作品になっていました。
これは日本映画の新しい流れってことになるかもしれないので、見ていない人は、見ることをお勧めします。
でも来週は「三丁目」か「バイオ」に負けるかも?
勝ったらたいへんなことに・・・・・・・・・?


キャプテン  評価90点  2007/8/18

普通の中学生の普通でない戦い。

私はこの作品の大ファンで、実写化されたので、すごく興味があり、見に行ってきました。
すごくよかったです。
感動しました。
これもすべて、内容は全然違うと思うけど、(すいません、見てません。)「バッテリー」のヒットと、関係者の皆様のおかげかと思われます。(なんとなく、雰囲気はにている。)
「キャプテン」のよさって、出てくる登場人物がみんな普通のところだと思います。
「キャプテン」には消える魔球も、ジャイロボールも、秘打も、アンドロメダ流星打法(?)も出てきません。
みんな普通というか、もしかしたら、普通以下かもしれません。
そんな普通の人々がいっしょうけんめい努力して、普通でない戦いをする。
それが感動を呼びます。
だから、オーデッションで、野球のうまい子供を集めて、CGを使わないで撮ったのには、大賛成です。
CGを使ってしまうと、普通ではなくなってしまうからです。
今回の映画でも、地区大会の二回戦突破が目標などと、かわいいことを言っていますが、いきなり一回戦から、強力なライバルが現れて、苦戦します。(この辺は原作どおりかな?)
最終的にはけっこう上の方まで、勝ち上がりますが、地区大会の一回戦、二回戦で必死で戦っているところがすごくリアルでいいところだと思います。(原作の後の方で、全国大会出てきますが、軟式の中学野球なので、すごく地味です。)
他のマンガは、すぐ甲子園だのプロだのメジャーだのってなってしまうところが、少々抵抗があります。
ほとんどの中学生、高校生は地区大会のみで、必死で戦っているはずだからです。
「俺たちもしかしたら勝っちゃうかも?」というのは「プレイボール」のセリフですが、このセリフがこの作品全体を表していると思います。
キャラクター的にはだいたいあっていたけど、谷口君はいいとして、丸井君はもっと暴力的な感じで、五十嵐君は、あんなにかっこよくなくて、もっと猿みたいな顔かな?
かあちゃんは宮崎美子さんになっていたけど、ちょっとキレイすぎるかな?(イメージ的には昔の菅井きんさんを太らせたみたいな感じだと思う。)
とうちゃんももっとごっつい感じがよかったけど、これだけすばらしい作品なら、せいたくは言えないかもしれません。
ただ、時代設定は昭和30年代にしてほしかった。
原作どおり、二間の部屋と土間と小さい庭があるだけのボロボロの長屋にしてほしかった。
映画でも、かなり貧乏くさい家だったけど、あれでも少し、不満でした。
新キャラクターの小林麻央さんと岩田さゆりさんは、原作は男ばっかり出てくる、色気のない話なので、かわいくてよかった。
音楽的にはアニメの主題歌をキッチリ入れていたところはよかったけど、アニメの試合のところでかけていた曲をかけてほしかった。(題名は知らない)
あの曲は大好きで、甲子園の応援曲にピッタリだと思うんだけど、やっている高校は見たことないです。
「タッチ」なんかより全然あっていると思います。
いろいろこまかいことを書いてしまいましたが、全体的には、家族全員で楽しめる感動作になっています。
見ることをお勧めします。


男たちのYAMATO  評価95点  2007/2/11

泣きどころ満載のよい映画です。

近所のシネコンで、名画劇場やっていたので、また見にいきました。
この映画、レンタルDVDでいくらでも見れるし、見に来る人などいないと思っていたんですが、かなり入っていました。(私は、こういう企画は大好きなので参加しました。)
なんだか、次から次へと入ってくる人を見ていたら、やっぱりすごい映画だったんだなと確信しました。
私が初めて「男たちの大和」を見たとき、その時もかなり入っていましたが、かなり年配の方ばかりで、健康ランドの宴会場で、旅回り一座の公演でもやるのか?というような雰囲気でした
。 さすがの私もかなり引いていましたが、なぜか後ろに女子高生のような二人組みがいて、ドン引き状態でした。 そのうち一人が、「なにこれ、やだ〜、チキンリトルに変えてもらおうよ〜」などと言い出し、出て行きました。 もちろん変えてもらえるわけもなく、ブスっとして帰って来て、がまんして見ているようでした。
映画が始まってしばらくすると、シクシク鼻をすする音がするので、振り返って見ると、チキンリトルの女子高生、泣いていました。
実際、この映画館そのままの、異様な雰囲気とパワーを持っている映画、それが「男たちの大和」だと思います。 私は、この映画、始めは作り話だと思っていたのですが、ラジオで,原作者の辺見じゅんさんが、中村獅童さんが演じている内田兵曹は実在の人物で、内田兵曹のところに何度も通いつめて、やっと話してもらった体験談だと言っていました。
だからこれはほぼ実話、鈴木京香さんが演じていた内田真貴子さんも実在の人物で、ほんとうに内田兵曹の骨を、大和の沈没地点にまかれたそうです。
この映画、最初見たときはそんなにたいした印象ないんですが、時間がたつにつれ、心のなかでじわじわ広がってくる妙な作品で、ほんとうによくできています。
今後日本映画の金字塔として、長く語りつがれていくすばらしい作品と思います。



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